◆物語内会話3◆現在の牧野つくし

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声のする方を振り返ると、校門前につけられた4代の高級車から、威風堂々と男子生徒たちが降りてくる。
4人はいずれも容姿端麗で、彼らを見つめる女子生徒の熱い視線は、さながらアイドルを応援するファンのよう。

 

(なんだろ・・・)
異様な光景を不思議に思いながらも、私は校舎へ続くカーペットを歩き始めた。

 

するとどういうわけか、周囲の生徒たちが唖然とした顔で私を見つめる。
「・・・?」

 

訳が分からず戸惑っていたその時、誰かが後ろから私の方を強く掴む。
振り返ると、それはさっきの4人の男子生徒のうちの1人だった。

 

道明寺司「お前、この学園のしらたきを知らないのか?」
「・・・え?」

 

(しらたき!?えっと、鍋に入れると美味しいあのしらたき・・・?)
くるくるパーマの男子生徒が発した言葉があまりにもちんぷんかんぷんで、彼を見つめかえすことしかできずにいると、隣にいた男子生徒があきれた顔を浮かべる。

 

西門総二郎「それを言うなら“しきたり”ね」
美作あきら「はいはい、もう行くよ」

 

仲間2人に背中を押されるようにして、くるくるパーマの男子生徒は不満げに校舎で向かっていった。
その後ろをワンテンポ遅れて残る1人の男子生徒がついていく。

 

花沢類「・・・」
(一体、なんだったんだろう・・・)

 

4人組の男子生徒の後ろ姿を茫然と見送っていると、
牧野牧野つくし「ねえ」

 

さっき見かけたビニールバッグの女子生徒に声を掛けられた。
牧野牧野つくし「あなたもしかして、転校生?」

 

「・・・はい」
牧野牧野つくし「さっきアイツが目くじら立てたのは、あのカーペットをあなたが歩いたからだよ」

 

「えっ!?」
牧野牧野つくし「ほんと馬鹿馬鹿しいけど・・・アイツらがこの学園を牛耳ってて校門から続く長いカーペットの上を歩けるのはあの4人だけってことになってる」

 

(それで私さっき、皆からの注目を集めてたんだ・・・)
今から思えば、カーペットを歩く私に向けられた周囲の目は、驚愕と恐怖の入り混じったものだった。

 

(この学校・・・やっぱり普通じゃない)
クラスメイト「こちらが我が学園のカフェテリアですわ」

 

クラスメイト「残念ながら簡素なメニューしかないけど、学生向けの食堂としては健闘しているほうじゃないかしら」
昼食の時間になり、クラスメイトに連れられカフェテリアへやってきた。

 

(これのどこが簡素・・・?)
カフェテリアの献立表には、A5ランクの牛フィレ肉のステーキや、伊勢海老のテルミドールなどといったメニューが並んでいる。

 

クラスメイト「今日はフォアグラのポワレがないのね。つまらないランチですこと」
(学校のランチでフォアグラ!?食べたことすらないよ・・・)

 

豪華なランチを前に恐縮する私をよそに、クラスメイトたちは慣れた様子で淡々と食事を進めていく。
(はぁ・・・お味噌汁が飲みたい)

 

ランチを終えてクラスメイトと別れた後、私は息抜きがしたくなって行程へと向かった。
ところがその途中、広大な敷地でうっかり道に迷ってしまう。

 

(・・・あれ?私がいた校舎って・・・どれだっけ)
不安に思いながら歩いていると。木の下で眠っている生徒を見つけた。

 

(あの人・・・今朝の4人組の1人かも?)
3人に少し遅れてついていった、どこかクールな印象の男子。

 

花沢類「・・・」
(やっぱり、あの男子生徒だ)

 

(なんだか凄く、綺麗な顔してる・・・)
思わず目を奪われてしまうほど、その寝顔は美しかった。

 

そこへ、4人組のうちの2人がやってくる。
西門総二郎「あ、朝の子だ」

 

西門総二郎「け、今朝はどうも」
美作あきら「転校生・・・道にでも迷った?」

 

「実は・・・そうなんです」
美作あきら「そうだろうと思った。こんな茂みに来るの、女の子を口説き落とした後のコイツくらいだから」

 

(・・・え?)
西門総二郎「お前だって人のこと言えないだろう」

 

西門総二郎「ま、とにかく校舎まで戻りたいわけだよね、キミは」
「はい!」

 

西門総二郎「今朝のカーペットウォーキングからして転校生だろうとは思ってたけど」
西門総二郎「それにしてもキミってかなり大胆だよね」

 

男子学生2人は呆れたように笑いながらも、私を校舎まで案内してくれた。
(朝は怖い4人組かと思ったけど、本当は優しい人たちなのかもしれないな)

 

放課後。
初登校でくたくたに疲れた私は、下校のため下駄箱へ向かっていた。

 

すると遠目に、あのビニールバッグの女子生徒の姿を見つける。
(初めて声をかけてくれた子だし、挨拶しておこう)

 

近づこうとした瞬間、その女子生徒に向かって周囲の生徒が一斉にゴミを投げつけた。
牧野牧野つくし「うわっ!」

 

「え、ちょっと・・・!」
思わず駆け寄ろうとした私を、近くにいた見ず知らずの生徒が止める。

 

生徒A「バカなことするんじゃない」
生徒B「あなた転校生でしょ。ここの掟、何も知らないのね」

 

「掟?」
生徒A「f4から赤札を貼られたら最後、全校生徒からいじめを受けることになる」

 

「エフフォー・・・って」
生徒B「花の4人組、FLOWERのエフ。彼らはこの学園の花形である英雄で、誰も逆らうことなんてできないのよ」

 

「でも、彼らが赤札を貼って・・・いじめを促してるってことですよね。そんなの英雄でもなんでも・・・」
生徒B「しっ!声が大きいわよ。あなた、赤札を貼られたいの!?」

 

生徒B「牧野つくしの二の舞にならないように気をつけなさい」
(あのビニールバッグの子・・・牧野つくしっていうんだ・・・)

 

心配なあまり、知らず知らず彼女に近づいてしまう。
するとそこへ、今朝、『この学園のしらたきを知らないのか?』という意味不明な言葉を投げかけてきたパーマの男子生徒が姿を現す。

 

途端に牧野さんはその生徒をキッと睨みつけ、下駄箱に貼られた赤札を取り外す。
牧野つくし「あんたの仕業ね」

 

道明寺司「・・・目障りな行動をしたからだ」
その言葉を近くで聞いていた生徒たちが、たちまち震えあがる。

 

生徒A「道明寺司(どうみょうじつかさ)・・・彼がf4のリーダーだよ。つまり、この学園の支配者」
(学校に支配者?しかも制裁がいじめだなんて・・・許せない!)

 

思わず体が前に出て、すぐに回りの生徒が私の腕を掴んで止める。
生徒A「ここではf4のルールが正義なんだよ」

 

生徒B「学園に最も高い寄付金を贈っている彼らのバックボーンには、生徒のみならず学園側も何も言えないの」
生徒A「悪いことは言わない。彼らに従っておいた方がいい」

 

「でも・・・」
ふと、鬼里谷さんの言葉が頭をよぎる。

 

鬼里谷「あなたはもう普通の女子高生ではない。日本有数の大企業の社長令嬢です」
「振る舞いにはお気をつけください。くれぐれも、問題など起こしてお父上の名を汚さぬように」

 

(問題を起こすことは・・・できない)
私は拳をギュっと握りしめ、口をつぐんだ。

 

そんな私の隣を、牧野さんは投げられたゴミを肩に乗せたまま、毅然とした表情で歩いてくる。
通り過ぎる瞬間、彼女は私にだけ聞こえるくらいの声で言う。

 

牧野つくし「関わらない方がいいよ」
(牧野さん・・・)

 

やるせない想いを胸に、私はただじっとその後ろ姿を見送ることしかできなかった。

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