◆物語内会話1◆鬼里谷/沢城航大とは?

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「嘘・・・」
下駄箱を開けた私は、そこにぶら下がる赤札に息をのんだ。

 

遠巻きにして眺める周囲のざわめきが、耳に届く。
生徒A「・・・赤札だ」

 

生徒B「何やらかしたんだよ、あの子・・・」
立ち尽くしていると、誰かが肩に手を置く。

 

振り返るとそれは、牧野つくし。
つくし「篠宮さん・・・」

 

同情するように優しく声をかけてくれた牧野さんだったけれど、
その眼差しはゆるぎない力強さを秘めている。

 

(きっと、負けるなって言ってくれてる)
その時ふと、牧野さんの向こうに佇む4人組の男子生徒が目に入った。

 

(・・・f4だ)
私と牧野さんにゆっくりと近づいてくる彼らこそ、

 

赤札を取り付けた張本人。
この事態にいたるまでの経緯が、脳裏に浮かぶ。

 

それは1週間前のこと。
私は緊張で身を硬くしながら、お城のような豪邸を見あげていた。

 

(わあ・・・すごい・・・)
お母さんの形見の古いトランクを抱え重厚な門をくぐると、ダークスーツに身を包んだ長身に男性が出迎える。

 

鬼里谷「お待ちしておりました、お嬢様」
この人はこの家の執事、鬼里谷(きりたに)さん。

 

「鬼里谷さん、こんばんは」
鬼里谷「さあ、どうぞ中へ」

 

鬼里谷さんと初めて会ったのは、お母さんの葬儀の場。
突然現れたその紳士から告げられたのは、思いがけない事実だった。

 

「え?今、なんて・・・」
鬼里谷「あなたを引き取りたいと、実の父親である篠宮 恭哉(しのみや きょうや)様がそう仰っているのです」

 

「私の・・・父親・・・?」
私は物心ついた頃から、お母さんと2人で暮らしてきた。

 

何度か父親のことえを尋ねてみたが、お母さんは、『お別れしたのよ』としか答えてくれなかった。
鬼里谷「恭哉様は、世界に名だたる大企業を取り仕切っているお方」

 

「あなたのお母様と出会い恋に落ちたその時は、すでに家庭のある身でした」
「そんななか、あなたが誕生した」

 

(私のお父さんって・・・存在したんだ)
(しかも、何だか凄い人・・・)

 

鬼里谷「お母様は恭哉様からの一切の援助を断り、女手一つであなたを育ててこられました」
「ですが悲しいことに、病によりこの世を去られた」

 

「それを知った恭哉様が、あなたを引き取りたいと願い出られたというわけです」
今日から私はこの篠宮家の娘として暮らすことになる。

 

「よろしくお願いします」
(16年間、一度も会うことのなかった実の父親と・・・とうとう会える)

 

不安と期待を抱えながら、私はお父さんの待つ部屋へと向かった。
鬼里谷さんに促され、お父さんの部屋に入る。

 

「お嬢様をお連れいたしました」
書類からチラリと顔をあげたお父さんに、心臓がドクンと跳ねる。

 

(この人が・・・私のお父さん・・・)
恭哉「君が・・・か」

 

お父さんは表情を変えず、冷めた声で言った。
「・・・はい」

 

恭哉「明日から英徳学園(えいとくがくえん)に通うように手続きをした」
「必要なものは全て鬼里谷が手配している。不明なことは彼に尋ねるといい」

 

そう言うと、再び書類に視線を戻してしまう。
(え・・・それだけ?)

 

恭哉「用件は以上だ。部屋に行きなさい」
お父さんは顔を上げることなくそう言った。

 

ショックのあまり動けない私に、鬼里谷さんの控えめな声が降ってくる。
鬼里谷「お嬢様、お部屋へご案内いたします」

 

初めて会った父親の態度は、あまりにも素っ気ないものだった。
私は力なく、とぼとぼと歩き始める。

 

鬼里谷に導かれ自分の部屋へやってきた私は、高級そうな家具やファブリックが並ぶ部屋におずおずと足を踏み入れる。
鬼里谷「今日からこちらがお嬢様のお部屋です」

 

すぐに、そこに置かれている英徳学園の制服と通学用のブランドバッグが目に入った。
「私・・・本当に英徳に通うんですか?」

 

鬼里谷「お父上のご意向です」
英徳学園といえば、政財界の大物や、一流企業の社長のご子息ご令嬢が通う名門校として知られている。

 

(私がそんな学校に通うなんて・・・)
不相応な気がして、気おくれしてしまう。

 

鬼里谷「ではまた明日」
そう言うと、鬼里谷さんは足早に去っていった。

 

私は小さく溜め息をつくと、手に掲げていた鞄からウサギのマスコットがついたキーホルダーを取り出す。
それは、前の学校の友だち、沢城くんから貰った大切な宝物。

 

「沢城くん・・・私、頑張るからね」
沢城くんから貰ったキーホルダーを英徳のブランドバッグに取りつけると、不意にあの日の光景が頭をよぎった。

 

沢城「・・・、転校するんだって?」
「うん・・・、お父さんの都合で」

 

沢城「・・・そっか」
「元気でな」

 

沢城くんのぶっきらぼうな声を思い出し、胸が苦しくなる。
(うん・・・元気にがんばるよ)

 

私はキーホルダーについたウサギを、ギュっと握りしめた。

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